倶楽部設立の趣旨

経営者にとっても事業承継の体験は人生でたった2回

 事業承継は、ほとんどの経営者にとって先人から事業を引き受ける時と次世代に引き継ぐときの2回きりです。私自身もそうでしたが若くして事業を継ぐとそれは相当な苦労の連続です。
 若さと体力、根拠の無い自信だけはあって、ついつい傲慢になり、結果として周りに居てくれた人はみんな逃げていく。そんなことを何回も重ねてやっと謙虚に傾聴する姿勢を心掛けることができます。

 私も過去には2回大きな赤字を出して大ピンチになったことがありました。それでも多くの経営者の皆さんの話がヒントとなって、ギリギリのところでアイデアを出せて、何とか切り抜けた。でも、これも謙虚に傾聴する姿勢をとれるようになった後に起きた出来事でしたから、その前に起きていたら先輩経営者のアドバイスが耳に入っていたかどうか、私自身にも分かりません。

 自分が会社を継いだ当時の記憶も少しずつ薄れ始めている今、弊社も創業70年を超えて100年という節目が視野に入り始めている中で、今度は引き継ぐ立場で事業承継を考えなければならなくなりました。事業を引き受けて大変な思いをされている方へ私の体験を知見としてお伝えすることはできますが、引き継ぐ立場は未経験です。

ありきたりのセミナーでは解決しない経営者の悩み

 日本企業は99%が中小企業で同族経営も多い。同族経営という言葉に昔は後ろめたさみたいなものがありましたが、ファミリービジネス研究の第一人者で、日本経済大学経営学部長で教授の後藤俊夫先生の講演を聞くと、実はそうではありませんでした。ファミリービジネスは、長期的な経営視点に立った時にとても堅実で継続性があり、成長させやすい経営とされています。

 企業経営は売上規模や人数、事業内容により、その苦労は様々です。いざ事業承継の時期を迎えてセミナーなどに出席してみると、弁護士や会計士の講義が中心で我々経営者が知りたい“ド真ん中”の「どうやって今までを引き継ぐか」という話しには、なかなか出会えるものではありません。
 だからこそ、先人の経験談を聴き、経営者同士で議論を交わすことで、経営者自身の中に事業承継の知見を貯めることが不可欠なのです。

100年企業を目指すために

 100年経営企業家倶楽部の発足にあたっては、最初からビジネスありきではなく人間関係からつくれる会にしていきたいと考えました。ビジネスは、人と人の信頼関係で成り立つものですから、「この人は信頼できるな」と思える関係の相手が結果として長続きすると思います。

 皆さんと信頼関係を築きながら100年企業を目指す本質的な議論がしたい。
 信頼関係が築けたらその後に会員企業からたくさんのいいビジネスが生まれるのも大いに結構!
 最後に、経営者の意識が変われば、社員も意識を変えてくれてモチベーションが上がります。そうなれば、次のビジネスだって生まれやすくなる。事業を引き継いで、昔からの人たちを全部切ったなんて話はいくらでもある。それでうまくいく会社もあれば、うまくいかない会社もある。どっちにしても、社員が輝かないと企業はダメなのです。そのためには経営者自身が自分を磨き、事業を磨くこと。すると、社員は会社の事業に魅力を感じて、必ずついてきてくれる。

 100年企業になるためのヒントがたくさん得られる場所を、皆さんで一緒につくりましょう。

倶楽部運営方針
1.小さくても良質で活発な経営者コミュニティをつくる
2.会員主体の倶楽部運営を実現するために理事会方式をとり、日本工業社は事務局に徹する
3.倶楽部の運営をビジネスとは捉えず、会費は講師手配や会場手配に充ててイベントを運営する
4.会員の声(意見、体験)をフォーラムという場で交換し、会員の声を会員の代表である理事
  らと話し合うことで、イベントやサービスの拡充を目指す

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米田和秀 Yoneda Kazuhide
株式会社日本工業社 代表取締役社長

1956年生まれ 東洋大学法学部卒業
叔父が1949年に設立した青焼き・コピーを主業とした株式会社日本工業社に大学卒業とともに入社。24歳の時に当時社長を務めていた実父が急逝し、元大番頭の社長のもと専務取締役を務める。その後、ファミリー企業の中で古参社員との軋轢や融和に苦労しつつ1991年に代表取締役に就任。本業は大手企業内にコピーセンター運営受託により拡大するも、東京中小企業家同友会などの法人会活動から、従業員の幸福とは何かを常に念頭に企業経営に努める。近年は、自身も苦労した事業承継について次の世代へいかにスムーズに事業を承継するかを課題とし、ファミリービジネス事業承継や永続企業への情報共有の場を自身が培ったノウハウで主宰することを模索。